銅の需要は高いままだけど、そろそろ供給面でカバーできそうだよ
「だからどうした」ということですが、まさに、タイトル通りの話であります。
要は、「需要と供給がマッチすれば、いずれ相場自体は下がるよ」という当然の帰結に至るわけです。これまでの相場の高止まり、北京以降、「オリンピック特需は、もう来ない」などと言われていた定説を覆す、異次元相場は、もうそろそろ終わるのかもしれません。と言いますか、「もう、終わらせたい人がいる」ではないか、そう個人的には捉えております。
ペルーは銅相場を下げたい
銅生産量世界2位のペルーは25日、来年の銅価格が1ポンド=3.40ドルと、今年の平均3.90ドルから下落するとの見通しを示した。経済省が25日に予測を公表した。銅価格は今年3月の高値から30%近く下落しているものの、依然として比較的高い水準にある。
世界第2位の銅生産国が、「チリがなんと言おうと、ペルーは下げで行くから(供給増やすぜ)」と申しております。実際のところ、国際協調、鉱山の操業管理、動静脈産業全体を通した調整が必要となるわけですが、ペルーは、とにもかくにも、下げたいわけです。
そういった言動に対して、様々な方面からの助け舟、なんとしてでも現状維持するための抵抗勢力による駆逐艦の投入等、銅相場に関して言えば、今後ますます、きな臭い方向へ突き進んでいくのではないでしょうか。
きな臭くなればなるほど、ボラティリティは高まり、銅相場を牛耳っている方々でさえ想定できない、ブラックスワン理論的な突発的な“事件”も起こるかもしれません。こればっかりは、本当に神のみぞ知る事態でございます。
中国、銅のスクラップ原料需要は、気持ちアゲ
"Copper Scrap Transactions Pick up Substantially with Copper Prices Stabilising above 63,000 yuan/mt"
この記事の中で言及されている重要事項は、下記の通り。
・'22年、8 月 22 日から 8 月 28 日、中国本土東側の非鉄関連工場、銅スクラップ処理量は約 22,000 トン(前週比 29.15%増)
・電気銅とスクラップのスプレッドが拡大し、スクラップの人気が高まっていることや、江西省のパンデミック状況が改善し、原料輸送の制約が緩和されたことにより、銅スクラップの需要は1週間前と比較して改善される見込み
この記事から察するに、中国国内での銅の二次製錬、金属加工業者の半分近くが、稼働していないということであります。そして、目下、「スクラップ原料と、製品原料のあいだにある価値の差が、以前に比べ大きくなっている」ということらしいのです。
左記の状況が、どのような意味を持つのか、今後、事態がどのように進展するのか、そういったことは、わかりません。しかしながら、ひとつ明確なのは、「好調ではない」ということであります。
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